肩こりは鍼治療が効果的な理由を医学的根拠に基づいて解説

鍼治療
  • 今までいろんな肩こり治療をしてきたけど、鍼治療は効果的?
  • 初めての鍼治療でわからないことがいっぱい。

このような悩みを抱えていませんか?

鍼治療は、肩こりに効果的です。

その理由を医学的根拠に基づいて解説します。

是非、参考にしてみてください。

1.鍼治療とは

鍼治療

鍼治療はファーストチョイスになりにくい治療法で、マッサージや整体に通っている方がほとんどだと思います。

一般的な治療ではないため、鍼に対する期待や誤解も多いです。

鍼治療に興味があっても、なかなか重い腰が上がらないという方に、まず鍼治療はどういうものなのかを詳しく解説していきます。

1-1.鍼治療は痛い?

鍼

鍼と注射針を比べてみてください。

注射針よりも鍼の方が細いため、注射のような痛みはなく、ほとんど痛みを感じません。

イメージとしては、髪の毛とほぼ同じ太さです。                                 

鍼

注射針は曲がることはありませんが、鍼はとても繊細で曲がります。

曲がると、折れるのでは?と怖いイメージがありますが、折れません。

実は鍼治療において、曲がることがとても大事なのです。

曲がることで、組織を極力傷つけずに鍼を刺入することが可能になります。

血管などの硬い組織は、鍼が曲がることで血管を避けてくれます。

鍼治療は、筋肉など細かい組織を刺激することに長けているのです。

1-2.鍼治療は感染しない?

今どき、鍼で感染など聞いたことがありません。

今は、使い捨ての鍼を使用していますので、1回鍼を使ったらその鍼は廃棄処分です。

鍼灸院によっては、同じ鍼を消毒滅菌して使っているところもありますので、もしそのような鍼灸院へ行かれる場合、気になる方は確認してみてください。

1-3.鍼治療の効果は?

1-3-1.血流の改善により筋肉が柔らかくなる

血行が悪い部分は、筋肉が硬くなり、痛みの元ができます。

そこに鍼を打つと、血液の流れが正常に戻り、筋肉が柔らかくなることで、症状が改善していきます。

1-3-2.脳内で痛みを抑える物質が出て、痛みが和らぐ

鍼治療がなぜ効くのか、科学的な根拠として、脳内でモルヒネに似た物質が放出されることがわかっています。

モルヒネとは、人類最大の痛みを抑える物質です。

鍼治療を受けると、何か爽快感がする、リラックスして眠くなるといった声をよくいただきます。

それは、モルヒネ様物質が出ているからです。

1-3-3.自律神経のバランスを調整する

自律神経は、交感神経と副交感神経にわかれ、互いにバランスをとりながら働いています。

体に不調がある人は、交感神経の活動が活発で副交感神経の活動が弱まっている状態です。

鍼治療は、交感神経の無駄な緊張を抑え、副交感神経の活動を活発にする効果があります。

病院では、原因のわからない症状にも対応できるのは、人間そのものの内面から変えていくことが可能だからです。

WHO(世界保健機構)で認める鍼の適応症状

鍼治療は、肩こりや腰痛のイメージがあるかもしれませんが、他にも適応症状がたくさんあります。

運動器系疾患

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群(肩こり)・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

神経系疾患

神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

循環器系疾患

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

呼吸器系疾患

気管支炎・喘息・風邪および予防

消化器系疾患

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

代謝内分泌系疾患

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

生殖、泌尿器系疾患

膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

婦人科系疾患

更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

耳鼻咽喉科系疾患

中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

眼科系疾患

眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

小児科疾患

小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

1-4.鍼治療の中にも様々な治療方法がある

鍼治療と一言でいっても、様々な治療方法が存在します。

肩こりに鍼治療は効果があるけど、すべての鍼治療方法に効果があるわけではありません。

自分に合う治療かどうかといったところが効果を左右します。

肩こりをはじめ、筋肉の凝りや痛みと相性の良い治療法として、「トリガーポイント鍼療法があります。

2.肩こりにはトリガーポイント鍼療法が効果的

鍼治療

2-1.トリガーポイントとは?

トリガーポイント

トリガーポイントとは、「痛みの引き金になる点」という意味です。

銃の引き金を引くと弾が遠くに飛んでいくのと同じように、トリガーポイントが引き金になり遠くの場所に痛みを飛ばします。

その遠くの場所に感じる痛みを「関連痛」といいます。

2-2.トリガーポイントと関連痛

痛みの発生場所、つまり「痛みの原因」がトリガーポイントであり、痛みを感じる場所、つまり「症状」が関連痛です。

痛い場所と痛みの原因が一致しないということです。

症状と原因が一致しないことが筋肉の痛みの一番の特徴です。

肩こりでは、凝りや痛みを感じている場所が関連痛であり、トリガーポイントは他の場所にあります。

2-3.肩こりのトリガーポイント

肩こりの原因となるトリガーポイントをいくつかご紹介します。         

僧帽筋トリガーポイント

(✖:トリガーポイント :関連痛)

肩こりで必ずといっていいほど、トリガーポイントができる筋肉です。

✖がトリガーポイントで赤く記されている場所が実際に痛みや凝りを感じている場所になります。

この筋肉は、首から背中まで全体に広がっているので、広範囲に痛みが現れていることがわかると思います。

僧帽筋トリガーポイント

(✖:トリガーポイント :関連痛)

この図は、首すじやこめかみなど側頭部を中心に痛みが出ています。

つまり、側頭部の頭痛などに関連するトリガーポイントであることがわかります。

肩こりで頭痛持ちの場合は、疑われる筋肉です。

このように、トリガーポイントは痛みを感じている場所とは違うところにあるため、凝りを感じているところをいくらほぐしても良くならないのです。

実際は、トリガーポイントを探し当て、そこを治療していかないと改善しません。

2-4.トリガーポイントとツボ。どちらが効果的か?

鍼治療といえば、「ツボに鍼をして血行を良くして治す」というイメージがあると思いますが、トリガーポイントとツボは、全く違う治療方法です。

ツボには、医学的な根拠がありません。

今までの経験上、はっきりした理由がなく治ってきたのがツボです。

治ればそれでいいのかもしれませんが、これからの時代は、しっかりとした医学的な根拠を示す必要があるように思います。

肩こり治療において、トリガーポイント療法とツボ療法のどちらが効果的なのか研究した論文が以下です。

トリガーポイントとツボはどちらが効果的か?

肩こりの効果を検討するため、①トリガーポイント治療群②経穴(ツボ)治療群③偽鍼群(鍼をしたようにみせかける)の3群にランダムにわけ、週1回間隔で4回鍼治療を行った。

効果の判定は、VAS10段階評価で10が最も辛い、0が痛みなし)で評価した。

治療前に比べて治療終了後にトリガーポイント治療群のみ痛みが軽減した。

トリガーポイント治療が肩こりの軽減に有用であると考えられる。

参考文献:大学生の肩こり被験者を対象にしたトリガーポイント鍼治療の試み

3.トリガーポイント鍼療法の医学的根拠

3-1.トリガーポイントは筋膜にできる

近年の研究により、トリガーポイントは、筋膜、腱や靭帯など軟部組織(ファシア)にできることが解明されました。

肩こりの場合は、筋膜にトリガーポイントができます。

僧帽筋エコー

これは、肩こりで一番凝りやすい筋肉である僧帽筋のエコー画像です。

横に伸びる白い線が筋膜です。              

右の方はその筋膜が白く太く写っています。

白く太く写る部分は、筋膜の癒着が起こっており、この部分がトリガーポイントです。

エコーで観察すると、トリガーポイントとは筋膜の癒着であることがわかります。

マッサージなどでいくら筋肉をほぐしてもすぐ元に戻ってしまうのは、筋膜に問題があるためです。

筋肉にアプローチするよりも筋膜にアプローチした方が凝りがほぐれやすいということです。

鍼治療はその筋膜を治療しているということです。

3-2.筋膜とは?

筋膜とは、筋肉を包んでいる膜のことで、筋肉の中まで入り込んでいます。

筋膜はボディスーツのように全身に張りめぐらされていて、「第二の骨格」ともいわれる重要なものです。

筋膜は、外からの力を抵抗なく受け止めて形を変えることができます。

例えば、イスに座ったときのお尻の変形や猫背状態、肥満となり脂肪が増えたときなど、その体の状態に合わせて形を変えることができる立派な膜です。

また、強く引っ張られたときには、その力に耐えることもできます。

それは、筋膜がコラーゲンとエラスチンでできていて、弾力性に富んでいるからです。

コラーゲンとエラスチンがお互いに協力して、体の緊張をコントロールしているということです。

3-3.なぜトリガーポイント(筋膜の癒着)ができる?

悪い姿勢や繰り返し動作を長く続けると、体の一部分に負担がかかり、筋膜が自由に伸び縮みできなくなってしまいます。

自分の皮膚を手で摘まむと、しわができると思います。

このしわの状態が、よじれてしまった筋膜にも起こります。

これを筋膜の癒着といいます。(健康体でも筋膜の癒着はあります。)

筋膜の癒着状態が続くと、包まれている筋肉の動きも悪くなり、凝りや痛みが現れます。

トリガーポイントができあがった状態です。                      

長時間同じ姿勢➡筋膜の癒着(トリガーポイント形成)➡筋肉が硬くなる➡凝りや痛み出現

肩こりは、長時間悪い姿勢を続けることで起こりますので、筋膜の癒着が間違いなくあります。

3-4.鍼治療は筋膜の癒着に直接アプローチできる

鍼治療は、トリガーポイント(筋膜の癒着)に直接アプローチできる治療法です。

最も悪くなっている部分に鍼を当てることで、筋膜の癒着が少しずつ取れていき、筋肉の柔軟性が良くなって、凝りや痛みが改善します。

補足:ツボも筋膜を治療している?

トリガーポイント鍼療法は、筋膜を治療の対象としていますが、ツボを使った鍼治療も実際は筋膜を治療している可能性があります。

ツボは東洋医学では経穴(けいけつ)といい、全身をめぐる経絡(けいらく)で繋がっています。

この経絡のつながりが筋膜のつながりとよく似ています。

トリガーポイントとツボは、70%一致していると言われています。

鍼治療の医学的根拠を示すとすれば、筋膜の癒着を正常に戻し、痛みを抑制しているといえます。

4.肩こりの鍼治療の効果や期間

肩こり

肩こりは職業病です。

はっきり申しますと、鍼治療だけに頼って完治は不可能です。

それは、鍼治療だけに限った話ではないでしょう。

鍼治療で筋肉を緩め、ストレッチをして自分でも努力をする必要があります。

鍼治療だけに頼っても改善はしますが、同じような生活習慣を続けていると、また元に戻ってしまうこともあります。

肩こりとは、そういうものです。

以下、鍼治療だけに頼った場合の効果や期間を示します。

4-1.肩こりの鍼治療の持続効果

4-1-1.1回の鍼治療で効果が出る人

鍼治療直後や23日後に楽になります。

どちらかといえば、2、3日後に凝りが緩和する人が多いです。

基本的に1回で効果を実感する人は、全体の5割くらいです。

軽度の肩こり、鍼治療が効果を示しやすいタイプです。

4-1-2.3回の鍼治療で効果が出る人

重度の肩こりでは、何回か治療して効果が現れます。

3~5回で効果が現れるのが一般的です。

4-1-3.5回鍼治療しても効果がない人

全体の1割くらいです。

肩こりの原因が他にある、鍼灸師の技術不足、治療法、方針や鍼自体が合わない可能性があります。

鍼治療の持続効果

1日…継続治療することで持ちがよくなる。

3日…まずまず。一般的な持続期間。

1週間以上…効きが良い。

4-2.肩こりの鍼治療の治療期間や間隔

週1回のペースが基本です。

重度の肩こりでは、週2回治療するなど、鍼の効き具合によって治療の間隔が変わります。

症状や鍼灸師の治療方針により治療期間や間隔は違います。

7割方良くなれば治療を終了する、1ヵ月後に治療するなど、相談しながら決めていきます。

5.まとめ

いかがでしたか?

肩こりは鍼治療が効果的な理由を医学的根拠に基づいて解説しましたので、専門的な用語が多く理解しにくかったかもしれません。

鍼治療は非常に奥が深いので、簡単な言葉では説明できないのです。

鍼治療は職人気質な人が多いので、肩こりについて専門的な鍼灸院を探してみてください。

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